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2011年9月24日 (土)

復興ファイナンスの必要性

皆さま、とてもとてもお久しぶりです。

この3か月間、何をしていたかというと、①一橋大学ロースクールでの期末レポート採点準備、②本業が意外にも忙しくなった8月、③被災地支援のための復興ファイアンスのスキーム作り、④法務総合研修所での講演準備と講演、⑤金融法務事情向けの論文作成、とそれなりにかなり忙しく、とてもブログを更新する気持ちが盛り上がりませんでした。

そのかわりといってはなんですが、Twitter(@tomoikenaga)では、600以上もつぶやきまくっておりましたので、それなりに発信はしておりました。それをみていただければ、この間の私のフォーカスが被災地復興に相変わらず集中していたことが理解していただけると思います。

また日弁連東日本大震災・原子力発電所事故等対策本部の委員にも就任し、活動を開始しました。

復興支援策がどのように展開しているかといいますと、このブログを継続してお読みいただいている方はすぐおわかりと思いますが、私の考えがかなり政府・民主党に結果として取り入れられています。これは同じようなことを政府部内でも考えていたということであったためです。ただし、私は二重ローン問題における旧債務の買取りということではなく、資本性資金注入という観点から論じていました。

政府・民主党の二重ローン対策案は、自民党・公明党らが提出し参議院で可決されている「東日本大震災事業者再生支援機構法案」と対立しており、今週からさらに民主・自民・公明の三党での協議が始まっているはずですが、スキームそのものや、買取り価格や、再生支援協議会の関与、買取り規模などの論点の溝が深く、おそらく混迷するものと思われます。

さらに本年9月2日の日本経済新聞では、岩手県で政府が進めている復興支援機構設立が、地域金融機関の買取価格は簿価か最低でも7~8割という主張により、大幅に遅れているという報道がなされました。これは政府・民主党案であっても再生支援機構法案であっても買取りがうまくいかない可能性を非常に示しており、結局は、既存債務買取りということを基軸とする限り、関係者の意見対立が深すぎてうまくいかないのではないか(買取り申請が起こらない)という懸念を強めております。

そこで、④の金融法務事情の論文では、かなり思い切って、復興ファイアンスの中でも復興基金構想や、二重ローン対策の対立点、民間資金導入のスキームについて論じてみました。これには③の復興ファイナンススキームも少しいれてみました。

復興ファイナンスといっても対象企業のサイズや、黒字基調か赤字基調か、壊滅的打撃を受けている場合の社会政策的な思い切った施策が必要か、などで、ずいぶんと様相がちがい、かなりひろい範囲のさまざまなファイアンス手法を使わなければなりません。そこまではとても紙数が少なく論じ切れませんでした。

しかし、24ページを使って被災中小企業・零細事業者向けのファイアンスを考える基本的視座から問題提起も含めて思い切った考えを述べてみました。これには④の法務総合研究所での講演「東日本大震災の経済と法」の準備の過程で理解してきたことも反映させています。金融法務事情編集部にはスペースを大幅にいただき、また締切の点でも無理をきいていただき、本当にありがたく思います。

私の金融法務事情2011年10月10日号の巻頭論文となる「東日本大震災の被災企業に対する復興ファイアンス-中小企業・零細事業者への支援策の展開-」を、ぜひご一読ください。発売は、再来週になります。

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