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2011年4月16日 (土)

東証、復興ファンド開発・上場の支援の基本方針を表明

このブログで主張している民間資金の復興財源へのアイデアである震災支援ファンドのアイデアを、全国倒産処理弁護士ネットワークのメーリングリストに載せました。反響は「ゼロ」!皆さん、ぴんとこないのでしょうし、このグループの性質上、私のようにどちらかというと金融に軸足を置いている方はほとんどいないし、倒産実務の処理に興味がある方ばかりで、仕組みづくりをするということになれていない弁護士が大多数であるから、しょうがないといえばしょうがないのですが、ちょっとがっかりします。弁護士の役割は、実務的処理だけでなく、支援の枠組みづくりもカバーしなければなりません。

しかし昨日、私のブログをのぞいていただいている方が数人おられる東京証券取引所が東日本大震災の被災企業・被災地支援の方針を発表し、その中に復興支援ファンドのアイデアを後押しする対応策が含まれているのを発見し、多いに勇気付けられています。もし私の主張がヒントになっているとしたら、うれしいことです。

東証の基本方針を少しご紹介します。基本方針は2本立てになっており、ひとつは『経営に打撃を受けた上場会社及び上場候補会社の上場廃止や上場審査において柔軟な対応を実施する』という内容です。もうひとつが、当ブログで私が主張していたことに関係する『震災復興に向けた資金調達に関連する金融商品の上場推進』です。

後者の方針は、①復興関連ETFの上場推進、②復興関連REITの上場推進、③復興関連新商品の開発支援の3つからなっております。①は被災した上場企業銘柄を構成銘柄とする株価指数連動ETFの組成・上場支援です。②は被災者向け賃貸住宅等を組み入れた不動産投資法人等の復興関連REITの組成・上場支援で、個人的にはこれに興味があります。街づくりと関連してきますので、開発は長くかかるでしょうが、商品としてはとても面白いアイデアであると思います。そして、③は『復興事業や被災企業の資金調達を支援する事業型ファンド(復興ファンド、インフラファンドなど)のための制度整備を進めるなど、復興事業への中長期の資金調達に寄与する上場商品の開発を支援する』とあります。

③の復興ファンドを上場する際に投資対象になる被災企業の規模をどの程度とするかは、上場ファンドのNAV計算とプライスの公正性を考えると、有価証券報告書を提出している規模とせざるをえない可能性があります。私のアイデアは、サプライチェーンを構成する中小企業、しかも非上場が多数であるということを念頭に置いているので、そのアイデアと東証の方針がどの程度重なるのかは今のところわかりません。しかし、基本的な視点として被災企業に対する資本金調達を含めた資金需要に答え、市場と需要をつなぐ商品開発を支援するという点において、発想が共通する面があり、民間資金の導入に積極的な方針を示したというところは高く評価すべきです。

このようにアイデアを出すことで、被災した企業の規模と需要に応じたきめ細かい支援策が可能となるのですから、こういう考えはどんどん出していただいて、金融業界、事業再生業界のプロフェッショナルと、弁護士、会計士、税理士等の専門家が協力し、復興の役に立ちたいと思っている大多数の国民、投資家、企業とともに、長期にわたり復興にコミットしていきたいと思います。

ただ、資金をどういれるかはまさに実務の世界でして、その点については被災企業の実態を知った上で、適切な資本・負債比率を計算し事業計画を練っていける、あるいはそれを第三者的に評価できる多くの事業再生実務家の知恵が必要です。上場企業は人も知恵も比較的あるでしょうから、中小企業にそのような支援の器を提供しなければなりません。車の両輪のようなものです。私の中小企業事業再生協議会を利用するというアイデアは、地域に密着したそのような専門家を利用するというものです。

この点、岩手県釜石市のTwitterによると、日本政策金融公庫が中小企業事業・農林水産事業向けの個別相談を開始していたり、あるいは国土交通省が「建設企業のための経営戦略アドバイザリー事業」を実施するようですが、こういう支援策もばらばらではまずいので、窓口ひとつで総合的な相談がワンストップで提供できるような体制を早く組んで被災者・被災企業が迅速に再建できるようにすべきです。こういうことこそ国がすばやくやるべきです。経済産業省は原発に追われていますが、事業再生について中小企業庁は重要なイニシアティブをとってきた歴史があるのですから、経産省あたりで統合的なアイデアをまとめていただけないものかと思います。これこそ、金融庁、自主規制期間、経産省、国交省と各自治体の横断的チームを機能的に編成すべきではないでしょうか。

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