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2009年11月14日 (土)

上村教授が語る公開会社法(2)

ブログ更新の頻度に波があるとのご指摘に恐縮しつつ、引き続き、上村達男先生と中村直人先生との対談についてです。

中村先生は、公開会社法では会社の目的が株主利益の最大化というものとは違うものになるのか、営利の追求が目的とはならないのかと問います。

上村先生は、「はい」と答えこう説明します。

- 不特定の投資家に対してうちの会社はこういうミッションで、こういう体制で、だから株を買ってくださいと頼むことになる。

- だから会社の目的はそれぞれの会社がもっているミッションを最大実現することになる。

- 資本は会社の目的を助け、貢献するものであって資本のために経営するものではない。資本提供者に対してインセンティブを与えるために配当が必要だが、それは企業のミッション実現に資本が貢献することに対する報酬にすぎない。

- 公開会社法は、必要最低限を条文化し、あとは会社法を適用するので会社の目的の条文は必要ない。

- 株式会社イコール営利目的であるという株式会社観は問題があるのではないか。英国は「カンパニー」といったら、学校の会社、宗教の会社、病院の会社等さまざまありカンパニーイコール営利ではない。このアプローチのほうが正しい理解のしかたではなかろうか。

- 会社の義務の名宛人も、相手は資本市場になる。

う~ん、そうなのかな~と正直思いました。

久保利英明先生の「株式会社の原点」という本の序論には、株式会社はいかにして成立したかについて、簡潔な論述があります。巨大リスクと巨額の収益に対応するために作り出された有限責任組織である特許会社が、1720年の不祥事をきっかけに100年以上お蔵入りになったが、鉄道事業の興勢とともに株式会社自由化機運が盛り上がり、1844年に特許でなく登記で設立が可能となり、1855年有限責任法によって株式会社は自動的に有限責任を認められた、とあります。歴史的にみても英国会社法の歴史は、営利目的とは切っても切り離せないものであったはずです。

それが20世紀になって英国では株式会社の概念が変容したのでしょうか?

また、会社の義務の名宛人も相手は資本市場となるとありますが、それでは学校とか宗教法人とか病院といった、資本取引の対象にならない事業をやっている団体を会社の概念にわざわざ入れるのはなんで?ということにならないでしょうか。(続く)

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