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2009年8月28日 (金)

日本内部統制研究学会年次大会にむけて

このところアクセスが急増し、このブログもだいぶ人気でてきたな~と思っていましたら、幻想でした。( ̄Д ̄;;

TOSHI先生のブログにこのブログの記事が紹介されたためのアクセス急増だとわかりました。「ビジネス法務の部屋」、ほんとに人気があるんですね。せっかくきていただいた皆さん、時々のぞいてください。もっともTOSHI先生のような驚異のアップ率達成はできないと思いますが、宜しくお願いします。 o(_ _)oペコッ

さて、明日、神戸の甲南大学で、日本内部統制研究学会第二回年次大会が開催されることになっています。私も朝一番の新幹線にのって神戸入りする予定です。(実は私、司法修習は神戸修習で、甲南大学のある阪急岡本駅の隣、阪急御影駅からえっちらおっちら登って渦ヶ森団地の近くに1年4ヶ月すんでいたので、とても懐かしい地でもあります。)

企業会計9月号が学会に向けてのプレリュードとも言うべき内部統制の特集を組んでおります。どの記事も興味深いのですが、その中で、公認会計士の住田清芽先生が書かれた「金融商品取引法に基づく内部統制評価及び監査の1年目の結果について」という論文をとても興味をもって読みました。

論文は、①内部統制報告書の全体的な記載状況、②重要な欠陥の記載、③やむをえない事情による範囲制限、④評価結果不表明の場合の記載、⑤後発事象の記載、⑥特記事項の記載の各項目について、次年度へのよりよい開示に向けての検討を行っております。

①では、全社的な内部統制の評価範囲について、重要性により評価範囲に含めない子会社があるときは、含めていない社数を表示している文例について、評価対象から除外した社の数のほうが多い場合はかえってミスリーディングになる懸念があるから、社数の記載に代えて、連結売上高や連結総資産、あるいは連結人利益にあたえる影響割合等で示すのが期間比較、会社間比較を容易にする方法ではないかと提言されています。

また、業績悪化により重要な事業拠点の選定指標が一定の割合に達しない場合、計画段階で適切に評価範囲を決定しているならば、全社的な内部統制が有効であることを前提として、一定割合を著しく下回らない限りにおいて評価範囲を追加する必要がないとした金融庁Q&A問74の論点についてふれています。

住田先生は、評価範囲の検討時期が第1四半期から第2四半期前半の間になるので、必然的に全事業年度の決算数値を元に金額的な側面からの検討が行われる現実を認められつつ、「制度が要求しているのは、あくまで当事業年度末の内部統制の有効性に関する評価であるため、当期の実績数値による検証は本来的に必要であると思われる。」と指摘し、「実際、実績数値においても計画どおり一定割合に達している場合も選定方針のみの記載にとどまる会社が多かったと思われ、実態がかえってわかりにくなってしまった感もある」といっておられます。計画時の選定方針とともに、実績値での検証をじっししている旨を合わせて記載している会社や、当事業年度の売上に基づき算定した会社もあったとして、より明瞭な記載が必要と指摘しています。

私も以前、業績の悪化と内部統制報告で金融庁Q&A問74について、くわしく論じております。私は、業績の変動により本来重要拠点として加えるべき場合がでたときは対象に加えて、評価できないときはやむを得ない事情として評価できなかったと記載するという考え方がなりたつと指摘しました。住田先生の当期の実績数値による検証は本来的に必要であるという指摘は、検証した結果、評価範囲に本来加えるべき重要拠点がでてしまったときにどうするのかという点についてはふれられておらず、この点について踏み込んだご意見をぜひうかがいたかったなと思いました。

②については、是正措置の記載について、今年度の開示例では、進行中の是正措置が付記事項に記載されている会社と、評価結果に関する事項に記載されている例があったようです。この点について住田先生は、「是正措置の進捗状況を端的に理解できるようにすることを重視するのであれば、比較可能性の向上のために、どういう状況になった場合に付記事項にするのか、また、1つの重要な欠陥に対して部分的な対応しかできていない場合の記載上の取扱いなども、今後整理すべきではないかと思われる。」と指摘されております。

この点も以前のブログの記事で、是正措置の開示の考え方にふれました。比較可能性の向上という観点から整理するという見方もあるでしょうが、内部統制報告制度の最終目的が内部統制を整備してもらうことにあることから考えて、ご指摘の論点はぜひ検討すべきであると思います。

このほか、ご紹介したい指摘もありますが、昼休み時間も全部使ってしまいましたので、この辺でやめておきます。

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