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2009年6月22日 (月)

内部統制評価結果が表明できないとした例

TOSHI先生のブログで教えられて、株式会社大木が内部統制評価結果を表明できないとする内部統制報告書を提出したことをしりました。以下は、同社の内部統制報告からの引用です。

「当社は財務報告に係る内部統制の評価について、重要な評価手続が実施できませんでした。したがいまして、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制の評価結果を表明できないと判断いたしました。
 実施できなかった重要な評価手続は以下のとおりであります。
・全社的な内部統制の評価手続
・業務プロセスに係る内部統制の評価手続
 重要な評価手続が実施できなかった理由は、連結グループ全体において、間接部門を中心に人員を削減しており、経理及び財務の知識・経験を有した者を上記の評価手続に従事させることが困難であったためであります。
 一方、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の重要性は認識しており、これらの人員の制約はあるものの、環境を整備し、今後1年間で評価を完了させる方針であります。具体的には、事業年度の末日後、社内においてプロジェクト・チームを再編成すると共に、内部統制専門のコンサルティング会社と契約し、内部統制の整備及び運用評価を進めております。」

これについては当該会社が第127期内部統制監査報告書についてをプレスリリースしております。会計監査人は無限定適正意見を表明しているとのことです。以下はその引用です。

『改めて申し上げますが「内部統制評価の一部が完了しなかったこと」は、決して当社の「内部統制」が出来ていないことを意味するものではありません。自己評価の一部が未完了であったと判断したと言うことです。

当社自身は、業績も順調で、増収増益を続けており、当然のことながら不正もなく、キャッシュフローも問題はありません。事実、監査人も、「大木の内部統制が出来ていない」とは言っておりません。

しかしながら、当社も上場会社として、金融商品取引法に基づく、「内部統制監査報告書」において、同じ「無限定適正」意見を取得することは至上命題だと考えておりますので、第128期においては、専門外部コンサルタントと業務委託契約を締結し、すでに、必要な作業を開始いたしており、今期中にその体制を完了することとしております。』

いい意味でも、悪い意味でも、この会社の姿勢がうかがえる内容のプレスリリースだなと思いますね( ̄◆ ̄;)。

それにしても会計監査人は財務諸表監査の際に、どのような手法で内部統制を見ていったのでしょうか。ロイターは、会計監査人である東陽監査法人は意見表明をするための合理的な基礎を得ることができなかったと説明していると報道しています。内部統制報告の監査の意見表明の合理的な基礎がえられないときに、財務諸表監査におけるサンプリングチェックの結果が母数をあらわしていることを合理的に保証するためには、会計監査人は何をみるのでしょうか。そして何についてどれくらい満足したら、財務諸表について無限定適正意見を表明するのでしょうか。はたまた、監査役会は監査報告書を書くにあたって、適切な人員が内部統制評価にさけなかったことをどのように検討したのでしょうか。その辺に個人的な興味があり、今後の検討課題であると思っております。

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