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2009年2月 7日 (土)

佐藤琢磨と夢見たトロロッソのシート

佐藤琢磨君が、トロロッソのシート争いで敗れました。先シーズン、正ドライバーだったセバスチャン・ブルデーが引き続き乗ることになったわけです。

琢磨君が今回シートを獲得できれば、それは日本人選手が初めてF1ドライバーとしてあのクラブのような世界で認められたということを意味する快挙になると考えていました。琢磨君も、もともとホンダの強い押しでジョーダン、BAR、スーパーアグリと乗り継いできていたので、日本メーカーの保護のもとでシートが獲得できたのだといわれ続けていました。これは、今、ウィリアムスで走っている中島一貴選手にも言われていることで、彼の場合は、トヨタの育成ドライバーでウィリアムスがトヨタからエンジン供給を受けているという関係にあることから、そう評価されております。

両選手ともそんなことを言われる必要はない立派な実力のあるドライバーであると確信しておりますが、彼らと同等あるいはそれに近いレベルの実力のあるドライバーで強力なスポンサーがついていない者や、そのマネージャーがたくさんいるヨーロッパでは、とかく揶揄されやすいのが日本人選手であり、魑魅魍魎の住むF1ワールドでのいわば日本人ドライバーに対する偏見を打ち破るには、実力を見せつけるしかないわけであります。琢磨君がトロロッソにシートを得られれば、ひも付きでない実力でシートを勝ち取ったということになるわけで、それだけに私は、もし実現できれば、BARでインディアナポリスで3位に入賞したことと同じぐらいの快挙になると考えておりました。日本生まれ、日本育ちで米国でアメリカン・ロイヤーとして11年戦った経験のある私としては、自分の体験からも、何とか琢磨君には、誰もがうなづく実力のみの評価でシートを獲得してもらいたい、と強く願っておりました。

ブルデーがトロロッソが要求していた10億円のスポンサー持ち込みはできないと早々と宣言し、テストにおいてすべて琢磨君より遅く、トロロッソチーム内部では琢磨君が示した実力に対する高い評価が伝えられていたのに、ブルデーがシートを勝ち取った事情はあきらかではありません(もちろんブルデーもドライバーとして一流であり、立派な選手です)。しかし、彼のマネージャーは、フェラーリの大ボスだったジャン・トッドの息子ニコラ・トッドであります。トロ・ロッソがエンジン供給をフェラーリから受けていることを考えると、息子を通じてなんらかの取引、あるいは何か金銭的にチームが有利になるような取引がなされたのではないかという推測をすることも、あながち不合理ではありません。

しかしながら、たとえそういう取引があったとしても、それがF1という世界であり、それができなければ生き残れないという現実を受け止めなければなりません。チーム運営に巨額の費用がかかることを考えれば、チームマネジメントがさまざまな要素を考慮して決めることを一概に非難することは難しいと思います。特にいくつかのチームの存立さえ危ぶまれる今日の状況においては、誰もが全戦でグリッドからスタートさせることを第一に考えるでしょう。

私の携帯の待受は、琢磨君が乗ったトロロッソの雄姿でした。琢磨君と同じ夢を見つつけたこの5ヶ月、この待受をみながら、今年10月に鈴鹿を駆け抜ける琢磨君の姿を想像しておりました。彼の日本人F1ドライバーとしての偉業(特に、鈴木亜久里さんと並ぶ日本人2度目の3位、スーパーアグリにおけるアロンソをぶち抜いて達成したカナダGPの6位、スペインGP8位)を誇りに思いつつ、彼がさらにF1において活躍できることを願ってやみません。

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