« DIP型会社更生申立て、早くも第3号で、ふと思うこと | トップページ | 内部統制報告書の記載内容は法定記載事項を満たしてるだけでいいか?(3) »

2009年2月19日 (木)

内部統制報告書の記載内容は法定記載事項を満たしてるだけでいいか?(2)

しばらく時間があいてしまいましたが、内部統制報告書の記載内容について書いておきたいと思います。

前回の記事では、南村報告は、(ア)のケースのレポートであって、(イ)(ウ)(エ)のケースについての視点から書かれているものではないので、これらの場合について記載をどうするかは別に検討すべきです、と書きました。(ア)とは「財務報告に係る内部統制は有効である。」と記載すべき場合(以下、「全面的有効意見」とよびます)、(イ)とは「評価手続の一部が実施できなかったが、財務報告に係る内部統制は有効である。」及び実施できなかった評価手続と実施できなかった理由を記載すべき場合(以下、「限定的有効意見」とよびます)、(ウ)とは「内部統制に重要な欠陥があり、財務報告に係る内部統制は有効でない。」及びその重要な欠陥の概要と期末日までに重要な欠陥が是正されなかった理由を記載すべき場合、(以下、「無効意見」とよびます)(エ)とは「重要な評価手続が実施できなかったため、内部統制評価結果を表明ができない。」及び実施できなかった重要な評価手続とその理由を記載すべき場合(以下、「評価不可能意見」とよびます)です。

本日は(イ)のケースの話です。

内部統制府令は評価の範囲に関して、評価範囲及び当該評価範囲を決定した手順、方法等を簡潔に記載することを要求していますが、「やむを得ない事情により、財務報告に係る内部統制の一部の範囲について十分な評価手続が実施できなかった場合には、その範囲及びその理由を簡潔に記載すること」としています。これは評価範囲の話ですね。

他方、限定的有効意見については、評価手続の一部が実施できなかったというもので、これは評価範囲とは別の話です。この場合は実施できなかった評価手続及びその理由を書くことを、内部統制府令は要求していますが、一部が実施されていないにも関わらず有効判定をしているのですから、なんでそうなるのかを投資家が理解するためには、予定されていた評価手続の中で、実施できなかった評価手続がどういう意味を持つのかが理解できないと、当該評価が正当なものなのかわからないということになります。

したがって、投資家の理解の便宜に供する視点からみると、実施できなかった評価手続が財務諸表に与える金額的影響の評価や質的な影響の評価をどの程度左右するのかを記載して、なぜ評価手続が一部実施できなくても限定有効意見を形成できたのかの解説をすることが望まれるではないかと思います。

« DIP型会社更生申立て、早くも第3号で、ふと思うこと | トップページ | 内部統制報告書の記載内容は法定記載事項を満たしてるだけでいいか?(3) »

内部統制・コンプライアンス」カテゴリの記事

金融商品取引法」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1098026/28043846

この記事へのトラックバック一覧です: 内部統制報告書の記載内容は法定記載事項を満たしてるだけでいいか?(2):

« DIP型会社更生申立て、早くも第3号で、ふと思うこと | トップページ | 内部統制報告書の記載内容は法定記載事項を満たしてるだけでいいか?(3) »